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PHSとワンコの文化

携帯電話。


インターネットと共に、
すでに完全に我々の生活の一部となり
「ケータイなしでは生きていけない」という人も珍しくないと思う。


しかし、立ち止まってふと振り返ると、
実のところ、
携帯電話がここまで普及したのは、驚くほど最近である。


私の世代は、ちょうどポケベルブームの後にあたる世代であり、
高校にいる間に、携帯電話が驚くほどの早さで普及した。


しかし、我々は忘れてはならない。
ケータイの普及の前には、PHSの盛行時代があったことを。


当時の我々の通念としては、
「携帯電話なんて高いだけ。」
「Pメールができないなんて意味ない。」
というものであり、
携帯電話が台頭し始めるのは、
auの学生半額キャンペーンからであったと記憶している。


※一応これには断りを加えておくと、
PHSが流行ったのは、北海道、あるいは札幌だけのローカルであったかもしれない。
当時も、本州ではすでに携帯電話が流行っているという噂を耳にしたことはあった。




そんなわけで我々の多くはPHSを、
とりわけ「ハイブリット携帯」と呼ばれる(誰も呼んでいなかったが)
「H゛」(エッジ) を使っていた。




PHSを手にしたばかりの高校生は
初めておもちゃを与えられた赤子のようにはしゃいだ。


ドラマの主題歌の着メロをすごい勢いで欲しがった。


授業中には、手紙をやりとりする代わりに、
Pメールでやりとりするようになった。


不幸の手紙ならぬ、「不幸のメール」のようなものが
別の学校にまでまわっていくこともあった。




それだけでは飽き足らず、高校生達は新たな遊びを発明した。


それが「ワンコ」(ワン切り)であった。


「ワンコ」は、one call の略語であり、
電話のコールを1回だけ鳴らして切ることをいう。


今でこそ、ワン切りといえば
ダイヤルQ2や出会い系サイトなど、
犯罪に伴う悪いイメージしかなくなってしまったが、
当時は学生達のコミュニケーション手段のひとつであった。


ワンコにはいろんな意味が含まれる。
「元気?」「調子どう?」
「今着いたよ。」
「電話ちょうだい!」


それはローカルや、場面によって異なった意味で使い分けられていた。


特になんでもない時に友達からワンコが来た場合、
それはワンコを返してくれという無言の訴えである。
受け取ったものは、ただちにワンコし返さなくてはならない。


思春期の高校生達は、どれだけ早くワンコが返ってくるかを
「その人がどれだけ自分のことを好く思ってくれているか」
のひとつの指標としていた。




長いコールは電話と間違えられて
「もしもし」と電話にでられてしまうこともしばしばあった。
ワンコのつもりが、でられると通話料がかかってしまう。
それゆえ、コールは短いほどcoolだとされた。
男子生徒は、いかに短く、かつ確実にコールできるか、
日々その技術を磨いた。




いまや、ワンコの文化は完全に消滅してしまった。


友達にいきなりワンコなどしようものなら、
きっとその友達はすぐに電話をかけてきて、
「どうしたの?」
と訊ねるだろう。


しかし私は、このような文化があったのだということを
上の世代や下の世代にも知ってもらいたいし、
同世代のものにも忘れてもらいたくない。
また個人的には、いつの日か再興してほしいと願う意を込め
このような記事を書いたしだいである。
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